ご入園、ご入学おめでとう(^^)/

幼稚園、保育園、ご入園

小学校、中学校、高校、大学、ご入学

おめでとうございますm(__)m

(当教室のKくん、Yちゃん小学校入学、Sくん中学入学おめでとう(^_^)☆その他の進級したお友達もおめでとう(^^)/)

入園式、入学式を終えて、慣らし期間を終えて、そろそろお弁当や給食が始まる頃かと思います。

新しい環境、新しいお友達、新しい先生、新しく習う事、、、。

新鮮でわくわくもするけれど、不安でドキドキもするかもしれない。

でも大丈夫!!みんな平気そうにみえても、初めはみんなドキドキしているのです。

「あせらず、あわてず、あきらめず。」

当教室のモットーです(^_-)-☆

マイペースで一歩ずつすすんでいきましょう!!

この時期になると、毎年、(あー、あんなに小さくてピアノの1番上の足台に届かなかった子がもう高学年になるのね。わー、もうオクターブ届く届く(^_^))などと、お教室に通ってくれる生徒さん一人一人の背を見上げながら、手の大きさを見ながら、感慨深くなるものです。

インターネットやSNSが盛んになった昨今、小さいうちから「空気を読む」なんていって、気遣いを沢山してくれるお友達が増えたように思います。優しい気遣い、心遣いは人の心を温かくしますが、遣いすぎて当の本人の心が疲れてしまっては、元も子もありません。

人生100年時代といわれるこの時代。人生は結構長い。人生楽ありゃ苦もあるさ、、なんて古いか(*_*)

晴れの日もあれば、雨の日もある。雨が降るから、植物は大きくなり、晴れの日が輝く。

ご高齢の方と伴奏のボランティアでお会いする機会も多く、心と身体はどちらも密接につながっていて、どちらもとても大切なんだという事を教えて頂いています。

心に雨が降ってしまった時、晴れやかにする引き出しを沢山(沢山でなくても一つでも奥行きの深いものならよいのかも?)持っている方が、きっと豊かな人生を送れる方なのかな、、?と最近思うのです。皆様は生きていく生活の営み以外で、好きな事、好きなもの、今風でいうなら?推しの事、もの、ありますか??

そんな所に「音楽」(ピアノ)はあるのだと思います。

先日、一人暮らしをしている大学生の息子が「電子ピアノ、送ってくれない?」

と言ってきました。中学高校まで自由に弾くピアノが身近にあったのに、大学になってなくなって、何か弾きたくなる時が唐突にやってくるらしいです。(彼は親のひいき目でみても、そこまで熱心な生徒ではありませんでしたが、、(*_*)中学3年のショパン幻想即興曲まで発表会は出てました。)

、、、「えー、お金またかかるしー。」

と言いながら、速攻で一人暮らしの住所に電子ピアノを送る母、、、(^_-)-☆

心を晴れやかにする引き出しを作るお手伝い、

当教室で、いつでも、どなたでも、やる気になられた方、

ご連絡お待ちしておりますm(__)m

(ただいま無料体験レッスン期間中ですが、留守の際は、メッセージとお名前を録音された方のみ、折り返し連絡しております。セールス電話も多いもので、申し訳ありませんが、ご理解ご協力の程、宜しくお願い致しますm(__)m)

♪2/23 二宮ラディアン・ガラコンサート♪

2023.2.23(木祝)二宮町生涯学習センター/ラディアンで行われたガラ・コンサート、お陰様で無事終了しました!!~光溢れる春に希望を乗せて~という副題のついたこのコンサートは二宮演奏家協会主催、二宮町・大磯町教育委員会後援で、演奏家協会としては43回目となりました。まずは、このコンサートにご来場頂きましたお客様、尽力頂いたスタッフ、関係者、出演者の皆様、この場をお借りしまして心より御礼申し上げますm(__)m

今回このコンサートに私はピアノソロで出演させて頂き、リスト作曲「巡礼の年第3年」より”エステ荘の噴水”を演奏させて頂きました。

ご来場頂いたお客様からは、キラキラとした音色が素晴らしかった、最初から最後まで展開が楽しみで芸術だなと思いました、噴水の様子が目に浮かぶ様だった、などなど沢山のご好評を頂き、私としても久し振りに演奏を終えた後の充実感を味わう事ができ、ラディアンのスタンウェイを気持ち良く弾く事ができ、心から感謝しておりますm(__)m

このガラコンサートは、二宮演奏協会としてもコロナ期間を乗り越え、故・白井英治先生(元東邦音大特任教授)から新しく会長になって下さった桑田葉子先生(二期会などでご活躍)の会長交代のお披露目のコンサートでもありました。

ですので企画して下さった幹部の方々も熱が入り、盛沢山のプログラムとなりました。

地元の大磯町立国府中学の吹奏楽部の賛助出演、中田喜直の世界と題した合唱や声楽ソロの出演、ヴィオラやコントラバス、マリンバ、ピアノソロ3名、ピアノ連弾2ステージ、声楽ソロ6ステージ、声楽とのアンサンブルもの2ステージ、、、。

当日は13:30開場、14:00開演だったのですが、夜の部には他の団体が会場を押さえていた事もあって、17:00には片付け含めて全員退場しなくてはならず、、、(公立の会場はこういう所が結構厳しいのです(*_*))、休憩や出入り含めると2時間強、、、。え、、とこのプログラムでは厳しいのでは、、?!

はい。それが1週間前2/16のラディアンでの会場リハーサルで分かり、「大八木さん、悪いけどピアノソロ1分カットして下さい。」、、、、??!え、、、1分カット??

そこからが大変でした。

人前で演奏したことの有る方ならお分かりかと思いますが、大抵このようなコンサートで本番1か月位前には曲を暗譜して仕上げをしていなければならず、たった1度しかないやり直しの効かない本番ですから、1回目である程度の結果が出せるように、練習してない朝一で弾いたり、録音したり、弾き慣れていない他の会場のピアノを借りて弾いたり、、色々試して形を作って、リハーサルを迎えます。そのリハーサルでの1分カットはきつかった(*_*)

しかし当日聴きにきて下さるお客様に言い訳をする事も出来ないので、リハーサルで録音した音源を頼りにリハーサルが終わってすぐ家に戻り、カットの場所を決め、再度、形を作る事になりました。

自宅に夜戻ると、留守番電話のランプが光っています。だれだろう、、と気楽な気持ちで留守ボタンを押すと聞き慣れない声で「結城恵子の姪の~と申します。至急連絡したいことがありますので、お戻りになりましたらご連絡ください。」

結城先生とは国立でつい先月1/20にもレッスンして頂いた恩師だ。何だか不吉な予感がして慌てて先方へ電話をする。

「突然で申し訳ありませんが、結城恵子が亡くなりました。」

え、、?え、、?いやそんなはずない。だって先週2/10金のレッスン前日、「体調悪くなったからキャンセルさせて。何だか鼻血が出てしまって気分が悪いの。」と先生からお電話を頂いたばかりだ。

「そうなんです。家族も突然でびっくりしていて。大八木さんの名前が手帳の上に書いてあってキャンセルした時の電話番号があったものですから、、。あれから日曜日に自宅で倒れ、救急車で病院に運ばれ、本日2/16午前11時、脳溢血で亡くなりました。89歳でした。」

突然のことで、頭が回らない。涙もでない。それから葬儀の事の詳細やら、門下の先輩への連絡やら、、諸々。自分でも何をしていたか思い出せないくらい。何を話していても言葉が頭に入ってこない。「頭が真っ白になる」とはこういう事をいうのだ、と思い知る。

あとで知る事になるのだが、門下の中で一番最後にレッスンして頂いたのは、私だった。一番最後に話をしたのも私だった。

「では、体調良くなられたら、連絡ください。」

「もう。私よくなるか分からないから、自分で頑張りなさいよ。全く、いつも余裕がないんだから、、。じゃ、がんばって。」

「はい。」

まさかこの会話が最後になるとは思いもしない。

あー、あの1/20の時が最後のレッスンだったのか、、。暗譜、失敗したし、先生に最後にいい演奏聴いて頂けなかった、、、。悔しい。

そして気づいた。人生1度きり、って結構あるんじゃないか。茶道で大切にしている言葉「一期一会」。

これが人生最後になるかもしれないと思って稽古する。

そんな事今まで考えた事も無かったが、その時の私にはその言葉が頭にしみる。

もう後悔したくない。

それからはガムシャラに本番で弾く曲の事だけ考えて行動した。

結果、、、珍しく、本番あとに何の後悔も無かった。すっきりとした充実感。

守って下さったのかもしれない。

小学校6年の夏、その当時お世話になっていた恩師(田浦直美先生)のお母さまの故・松島和子先生(芸大声楽科ご出身で、お二人共名古屋が同郷)の紹介で、初めて結城先生にお会いした時、本当に緊張した。レッスン室の緑のソファーに座って、同じ6年の国立音大付属中学を受験する生徒との4名での弾きあい。試験曲だから全く同じハイドンのソナタ。結局、入学式のあと先生のレッスン室で顔を合わせたのは私と秋山さんの二人だけだった。

その秋山さんと先生の葬儀で久しぶりに顔を合わせた。お互い目を真っ赤にしながら笑いだす。

あの時は怖かったよね!弾いてる時の咳払いで心臓縮まったよね?先生の機嫌の悪さは、咳払いの仕方と、頭ポリポリ具合で分かったよね?、、、とか。泣きながら、笑いながら、、、。

そして現在は小学校の音楽の先生をしている秋山さんは言った。

「でも、こうやって教える仕事してると、先生を思い出すのよ。」

私もそうだ。

「こちらが望むも望まなくとも、、ね(笑)。きっと先生のエキス、私たちに染み込んでるのよね。」

そう。小学校6年から付属中学、高校(高3の1年は高校ご定年で違う先生に見て頂いた。)大学の10年、、、。先生も国立音大の助教授から教授になられ、私たちが大学4年の時、退官。そのあと社会人になっても現在まで私は世話になっていたのだから、きっと、エキス染み込んでる、、はず?!

先生は、音に対するこだわりが半端なかった。

「違う。」「違う。」と最初の和音だけで、1~2時間はざらだった。

先生のエネルギー、時間、人生をかけたエキス。

無駄にしてはいけないと強く思った。

先生からみたら、まだまだだね、、、と当然言われると思うが、私なりに出来うる限り、ピアノを弾き続けて、その恩を少しづつでも返していけたらと思う。

先生これからも見ていて下さい。

先生、本当に本当に、、、有難うございましたm(__)m

YAMAHAグランドピアノC5X

お教室の新しいグランドピアノYAMAHA C5Xが2022.12.27に搬入されてから、もうすぐ3か月が経とうとしています。やっと色々な事が落ち着いてきたので、せっかくですから一大決心をしてこのピアノを購入したエピソードを書こうと思います。

今まで使用していたグランドピアノは、私が中学(国立音大付属中学)2年の頃に両親が購入してくれたものでした。その当時国立駅前にあった国立楽器へ恩師の結城先生と母と私で向かい、3台のヤマハC5のグランドピアノを楽器店に準備して頂き、先生のアドバイスを元に選定させて頂き、自宅にグランドピアノが届いた時の喜び、これから共に歩んでいくんだという意気込み、、、。それまでアップライトピアノでしたから、タッチの軽さと圧倒的な重厚感。今でも鮮明に覚えています。

それから30年以上(年齢バレルかな、、なので少し曖昧に?*_*))共に苦楽をともにしてきた相棒。

高音のキラキラ感と低音の重厚感のバランスがとても良くて、コンサートホール以外のピアノでは、大抵が(あー、うちのピアノの方がいい!)と弾いていて思ってしまう位、とても良いピアノでした。

そんなに大好きなピアノだったのに、ここ数年ピアノの弦が良く切れるようになって、調律師さんの話では経年劣化なので仕方ない、との事でした。それでもピアノは手作りですから、「こんないいピアノ、もう出会えないかもしれない!」と思って、この数年は切れる度に弦を調律師さんに張り替えてもらって、様子をみながら弾いていました。しかし、(私にとっては)事件が起きました。

まさかのコンサート本番前日の弦切れ!!

2022.10.16二宮演奏協会主催のサロンコンサートの前日、朝1番で通し弾きを録音している時に起こりました。からたちの花、雨の庭を終えて、ショパンバラード1番のラストのプレストの情熱的な所の1番上のシ♭!!

ビン!というにぶい音とともに(あー、やってしまった!)という後悔。

そこからがパニックでした。高い弦は連動していて1つ切れると連鎖して違う音も次々と切れていく事があると聞いていましたので、もう高いシ♭付近は弾くのを辞めようとしたのですが、何と今回取り上げた曲の高いシ♭の多いこと、多いこと、、、。しかし、明日は本番。全く弾かないのは怖い。

ダメ元で調律師さんに連絡すると、丁度空き時間ができたとの事で何とか夕方に来て頂き(神様のように見えました!!)、弦を張り替えて頂き、夜には弾く事が出来たのですが、どうも朝に弦が切れたシ♭の所がくるとしっくりこない。又切れるのではないか、と身構えてしまう、、、。

サロンコンサートでしたから少人数のお客様でそこまで大きなコンサートでは無いのですが、私にとってはソロ3曲をコロナ以来久しぶりに人前で弾くという大きな出来事でしたので、コンサートは素晴らしい共演者に支えられて無事好評を頂き終えられたのですが、この事件は(少し大げさですが(*_*))大きなトラウマのような形で私の胸に残りました。

「やっぱりピアノ、買い替えよう!!」

それからこういう時の為に貯めておいたピアノ貯金の通帳を胸に、あちこちの楽器店に問い合わせる日々。最初は海外のピアノ購入も視野に入れていたのですが、色々話を聞くと、調律などのメンテナンスの難しさ、日本のピアノはやはり日本の気候(温度湿度など)に合わせて作られているという事実。それに練習するなら弾き慣れたヤマハのピアノがいい。やはりサイズはC5かな、、、?あれ?今はC5Xというの、、?何、今までと何が違うの、、、?ほう、支柱の構造と響板がヤマハコンサートグランドピアノCFX(フルコン)に限りなく近づいた、、と。いいじゃない!では、選定できますか、、?できれば3台位で、、。

「C3は選定出来ますが(しかも有料!)、C5は大きいのでヤマハの掛川の工場での選定となります。」

えー!掛川の工場、、、?!

そんな大げさな事になってしまうのは何だか困る。だって私はどこそこの有名なピアニストでも無いし、音大の教授でも無い。

でもピアノは手作りだから、同じ銘柄でも、どのピアノも個体差がある。性格がある。

それはかつて中学の時、恩師が教えてくれた。3台並んだヤマハグランドピアノC5を前に動揺していた私の背中を押して「いつも通り弾きなさい。3台とも。」、、と。

すると3台とも皆違う音がした。一番キラキラした音のピアノを指差して「このピアノ、あなたに合うんじゃない?」、、。

だから、今回も選定はした上で、ピアノは購入したかった。

工場でなくて、どこかお店で選定できる所はないか、、。

たまたまネットをみているとヤマハのC5Xの説明を丁寧にしている楽器店のページが有った。

島村楽器、、。おー、私が音大卒業してすぐ、結婚するまでヤマハシステム講師として就職した楽器店ではないか。早速、連絡してみると、「現在、C5X、2台ならすぐ選定出来ます。3台なら数週間待ってもらえたらすぐ出来ます。」

「すごい!」銀座のヤマハでも出来なかった事を、、、。

「お願いします!」

そこからは迷いは無かった。2022.12.20 島村楽器市川コルトンプラザ店で、ヤマハグランドピアノC5Xの3台準備して頂き、選定を行い、無事、2022.12.27に我が家にC5Xがやってきた!!

今回私は奥行き200cmのC5X(ちなみにC1Xだと奥行き161cm)の特徴である低音の重厚感を重視して選定した。キラキラ感も欲しかったが、ピアノは生き物なので、使用者に合わせて年々変化していくもの、、との話を信じて、キラキラ感は待ってみる事にした。

数か月経った最近、最初の頃よりキラキラ感が増してきた気がする。

調律師さんも良い方(ドイツのベヒシュタインの工房でピアノ製作をされていた技術者!)を島村楽器に紹介して頂き、これからこのピアノの変化がますます楽しみになった。

切れのいい音の立ち上がり。

きらめきのある音色。

粒立ちの良い和声感。

精密にして、大胆な、ヤマハコンサートグランドピアノCFXの恩恵を受け継いだ、

YAMAHA C5X、、。

当教室で是非、ご堪能ください(^_-)-☆

♪Christmas Concert2022.ピアノ発表会♪

2022.11.27(日)平塚中央公民館大ホールにて、3教室合同のピアノ発表会、無事終了しました(^^)/

出演者の皆様、ご家族の皆様、ご来場頂きましたお客様、舞台スタッフ、写真屋さん、司会、受付、会場スタッフ係などなど、、勿論、10年以上ご一緒して頂いているI先生、K先生、この会に向けてご尽力頂きましたすべての皆様、この場をお借りしまして心より御礼申しあげますm(__)m

コロナ対策も3年目となると板について(笑)、来場者リスト作成、来場前の検温、手指消毒、演奏前までのマスク、集合写真までのマスク、と予めご案内はしていたものの、誰も戸惑うことも無く、スムーズに対策する事が出来ました。とはいえ、当日周辺の時期、西湘地域の感染者は続々と増え続けている情報もあった為、当日、そして来場者リスト保存期間の2週間後まで、安心できる事はありませんでした。

この度、無事2週間過ぎ、各教室クラスターなどの報告もありませんでしたので、やっと安心してブログを書く事が出来ました。

今年もコロナ対策で、1.2部入れ替え制で行い、1部33名、2部34名(1名欠席)、3歳の子供から中高生、大人まで合計66名の出演が有りました。

演奏形態もソロだけでなく、親子連弾、姉妹連弾、姉弟連弾、曲目もショパンエチュードやノクターン、ベートーヴェンソナタ、ラヴェル、ドビュッシー、フォーレ、などクラシックだけでなく、

平吉T、湯山A、葉加瀬T、三善Aなどの邦人大御所作曲家のみならず、初音ミ〇、GReeee〇、残響散〇、Anne-Mari〇、、、などゲームやアニメ、洋楽などジャンルも様々な曲目が有りました。

初めての発表会で舞台に立つ3~4歳のかわいいお友達も、受験勉強と並行して練習して臨む中3生も、何十年か振りに舞台に立つ大人の方も、皆一人一人ドラマが有ります。

一年に一度の晴れの舞台。この日の為に、あーでもない、こーでもない、と言われ(笑)頑張ってきました。あんなに沢山練習したのに、本番の舞台は一瞬。そしてやり直しの効かないたった一度きり。舞台の上では間違えても、忘れても、頼れるのは自分だけ。

だから成長するのです。だから私たち講師は一年に一度にこだわります。

日々のコツコツとしたメソードやテクニックの面倒な(笑)練習はこのためにあるんだ、と会を重ねた上級者のお友達は分かってきます。発表会の曲だけやっても上手くいかないし、直前の練習だけでも上手くいかない。

誰だって日々の面倒な練習は嫌いです(笑)。おそらく先生方も子供の頃、練習は好きでは無かったはず(勿論?!私もです(^_-)-☆)。

でも練習の先にあるものが見えてきた時、、、「あー、あの人凄いな!」とか、「あんな曲素敵だな。」とか、「今度はこうしよう!」とか、「この曲こんなイメージなのかな。」とか、「こんな音を出したい。」とかそういったもの、、、。

その時、練習が練習でなくなるのです。挑戦だったり、励みだったり、時に癒しだったり、、、。

まー、そこまで行くにはなかなか時間はかかりますが、、、(笑)。

いずれにしても、今年も年に一度の発表会が終わりました(^^)/

集合写真で集まった出演者の皆さんの晴れやかな充実した笑顔。一人一人の成長を感じた演奏。

ピアノの先生で良かった!と思える瞬間です。素敵な演奏ありがとう!!

また来年も頑張ろうね(^^♪

♪サロンコンサート10/16♪

2022.10.16(日)二宮チェチリア工房音楽サロンにて行われた、二宮演奏家協会主催~ピアノの饗宴~サロンコンサート、お陰様で無事終演しました(^^)/当日はコロナ対策の為定員を50の所30席に制限しておりましたが、ほぼ満席のお客様にお越し頂き、ご好評を頂き終える事が出来ました事、ご来場頂きましたお客様、この会の為にご尽力頂きました関係者の皆様、素敵な出演者のお二人、心より御礼申し上げますm(__)m

以下、プログラムです↓(一部著作権の兼ね合いで割愛する所有ります/演奏者~大八木章子=o、北村真紀子=k、横田萌子=y)

中田喜〇/4手連弾のための組曲「日本の四季」より4曲~o.k.y

山田耕筰/ピアノのための「からたちの花」~o

ドビュッシー/版画より「雨の庭」~o

ショパン/バラード1番~o

休憩

バッハ=ブラームス/左手のためのシャコンヌ~k

ドビュッシー/12の練習曲より「組み合わされたアルペジオのために」~y

スクリャービン/ワルツ変イ長調~y

プーラン〇/4手のためのソナタ~k.y

アンコール=6手連弾「虹の彼方に」~o.k.y

今回のコンサートはピアノ3人のみと聞いた時は(大抵は声楽の方や他の楽器の方とご一緒が多いので)びっくりしたのですが、若手の実力者ピアニストお二人と連弾など貴重な経験もでき、大変良い刺激となりました(^_^)(連弾の楽譜がiPadからでてきた時はビックリしました(*_*))

私個人としましては、コンサート前日に家のピアノの弦が切れるという私史上前代未聞のハプニングがあったり、会場のピアノとの相性があまりよくない?!事など(私の力不足の問題?!)もあったり、、、と完全に納得できる出来ではありませんでしたが、コロナ期間約2年近くコンサートなどで弾く機会が空いてしまっていた中、このような機会が頂ける事、大変有難く思いました。

お客様からは、プログラムの構成が日本の曲から近現代の曲、既知曲、最後は6手連弾とバラエティーに富んでいて面白かった。何もアナウンス無しで桜のハラハラ落ちてくる所が綺麗だった。日本の四季の中の「春が来た」「夏は来ぬ」「真っ赤な秋」「雪がふるまちを」、、など知っている唱歌が出てきて思わず歌いそうになって嬉しかった。からたちの花の曲の前に花と実のパネル紹介も分かりやすくてよかった。ショパンバラード聴いていて羽生結弦選手やっぱり思い出した。サロンだったので手がよく見えて、手があんなによく早く動くなーと思った。ご自身のお嬢様の音大時代を思い出して涙が出そうになった。、、、などなど、沢山の感想を頂きました(^_^)

コロナ期間でコンサートが突然ドタキャンになってしまったり、ピアノ教室を休まなくてはならなくなったりした時、「音楽はそんなに必要ないのかな。」と錯覚しそうになりましたが、今回、コンサートから帰るお客様の笑顔を見ていて思いました。「やっぱり人には音楽は必要だ。」と。確かに人は事実上、衣食住、健康と安全が保てていれば生きていられます。でも、「本当に生きる」ってなんでしょう。人とコミュニケーションをとったり、わくわくドキドキしたり、感動したり、感銘を受けたり、何かを思い出したり、、、。いつもと違う非日常を感じる事、そんな事が大切なのではないでしょうか。「音楽」はそんな事、出来ます。私の様な万年未熟?!の演奏でも、誰かの何か、、、非日常にはなるかもしれない。

何だかんだ言っても、、、結局は音楽(ピアノ)が好きなんだとは思います。

人の前で演奏する事と教える事はセットだとは思っているので、これからも懲りずに私なりにやっていきたいと思っています。

どうかお付き合い頂けます方、今後とも懲りずに(笑)宜しくお願い致しますm(__)m

下曽我駅開業100周年セレモニー

2022.5.15(日)下曽我駅のセレモニーに歌う会の伴奏とBGMで参加してきました(^_^)

下曽我駅とはJR東海の御殿場線の駅で小田原市内にあり、現在は比較的こじんまりした駅であるものの、1922年(大正11年)に開業した歴史のある駅です。

当日は雨が心配されましたが、何とか持ちこたえて、暑くもなく寒くもなくという丁度よい天気に恵まれ、無事セレモニーを終える事ができました。

下曽我駅ロータリーで13時から行われたのですが、隣の梅の里センターで開催されていた「鉄道まつり」の影響もあってか、鉄道研究会の方々、うたう会の方々、駅開設に尽力された長谷川豊吉翁のご親戚の方々(うたう会の代表もご親戚だそうです!)、そして小田原市長さんや、何と下曽我にゆかりのある有名な文豪=太宰治さんのご息女までいらして、こじんまりした駅であるものの(何度もスミマセン!)私の予想をはるかに上回る沢山の人々が集まって温かいセレモニーとなりました。

開業100年というだけあって幼少期から80年以上この駅を利用しています!という方、当時は黒煙をあげた汽車に乗れる事が嬉しかった!という方、駅を開業するまでに沢山の苦労があった話、など色々な貴重な話を聞く事ができ、普段、駅というものにそこまで意識のなかった私ですが、これからは駅の存在に感謝しよう!と思いました。

貴重なスピーチの後には、長谷川豊吉翁胸像に参加者全員バラの献花をして、うたう会の皆さんと参加者の皆さんで1.鉄道唱歌 2.曽我の春 3.みかんの花咲く丘(先日、お隣の国府津駅の発車ベルになったばかり!) 4.下曽我小学校校歌(皆さんかなりご高齢の方でも歌っていらっしゃいました!)を合唱してお開きとなりました。

色とりどりのバラに囲まれて、沢山の歌声が駅のロータリー全体に広がって、(あー、やっぱり音楽って良いな♪)と思える、和やかで温かな一日でした(^^♪

おめでとう♪そして、、。

桜の美しい頃となりました。当教室も新入園、新入学を迎えられたお友達沢山いらっしゃいます。

本格的にピアノを習い始めたのが当教室に来た高1~、それから約2年学ばれ、見事第一希望の T音大作曲科に合格したH君。T音大入学おめでとう!!人の心に響く曲、これから沢山作ってね(^^♪

幼稚園保育園から学ばれたお友達のSちゃん。Yくん。Mちゃん。小学校入学おめでとう!!小学校低学年から学ばれたHちゃん、中学入学おめでとう!!

その他進級、入学、入園を迎えられたすべてのお友達、保護者の皆様、おめでとうございますm(__)m

春は別れと出会いのある切なさと新鮮さの織り交ざった時期ですが、音楽は幸い生涯学習です(^^♪

別れたつもりが、(あの先生、そう言えばこの曲でこんな事言ってたな。)とか、(ここの所で先生激怒してたな。)とか、、、すぐには出てこないかもしれませんが、忘れた頃にひょっこり顔をだします。←わたしも経験済(^▽^;)

知らず知らずのうちに教えて頂いた事は、自分の血肉になっている?!ので、結局は別れではありません(^_-)-☆

教える立場としては、自分がこういう経験をすると、身の引き締まる思いになります。

一度は離れても、音楽は生涯学習ですから、やりたくなったらいつでもウェルカムですm(__)m

春は何かを始めるのにも新鮮で良い季節。

あなたもピアノ、始めてみませんか(^^♪

♪秋のコンサート2021発表会♪

2021.11.21(日)平塚中央公民館大ホールにて今年もピアノ教室の発表会を無事終える事ができました(^^)/

発表会開催に伴い、ご協力頂きました舞台スタッフの皆様、ピアノ調律師の方、カメラマンの方、アナウンスや受付のお手伝いをして下さった先生方、そして出演者そのご家族、そしてかれこれ10年以上のお付き合いで一緒に開催して下さる2つのピアノ教室の先生方、ご来場くださったお客様、後援頂いた楽器店の方、、、etc。この秋のコンサート2021発表会に関わって下さったすべての皆様にこの場をお借りしまして感謝申し上げます。

本当にありがとうございましたm(__)m

withコロナ、、、などと言われてかれこれ2年以上が経ち、感染者は全国的に少なくなったものの変異株とやらに悩まされ、まだまだ感染対策を講じる事が条件の発表会。昨年の発表会の例が有ったので準備はそこまで慌てる必要はなっかったものの、入場者リスト作成、入場者全員検温消毒マスク、1部2部入れ替え制、出演者演奏直前までマスク、演奏前手指消毒、座席は1席おき、、、等々まだまだ色々制約がありました。開催から3週間が経ち、関係者皆無事との連絡を受け、やっとこの発表会が成功したと言える状態となり、投稿した次第です。

1部33名、2部32名、合計65名(1名欠席別の形で出演)の出演者の皆様、お疲れ様でしたm(__)m

コロナ対策で、今年も一人あたりの演奏時間も短くなっていた為、選曲から制約があったり、せっかく長い曲が弾ける様になってもカットしたりして我慢してもらう事もありましたが、1年に1度の発表会、皆一人一人ドラマが有り、成長が有ったと思います。

今年の発表会も、ショパン、リスト、シューマン、ベートーヴェン、ドビュッシーなどのクラシック曲から、中田喜直、湯山昭、平井康三郎、平吉毅州、久石譲などの邦人の曲。又、楽譜の無いゲームやYouTubeなどの楽譜作成から行った曲、兄弟姉妹連弾、、、などなど、本当にバラエティーに富んだプログラムで、ご来場の皆様から、「感動した!」「目がウルっとなりました!」「私(僕)もあの曲弾きたい!」などなど沢山のご好評を頂きました(^^)/

私のピアノ教室では、発表会後1週間お休みした後、出演したお友達に、私から発表会での演奏について、その時思ったメッセージを(出演されてないお友達はいつものレッスンの感想を)それぞれ書いて、クリスマスクッキーと共にお渡ししています。

たった数分(場合によっては数十秒)の1度きりの本番の演奏の為に、何か月も前から必死に練習します。

たった1度きり。弾いた瞬間に過去になる。目には見えない。

でも確かにそこに音楽があり、一人一人の個性があり、ドラマがあり、心に響く感動がある。演奏者と聴衆の共有する時間がある。

ともすると目に見える形や、結果に拘ってしまう今の世の中。

「大切なものほど目には見えないのだよ。」とサン=テグジュペリ著の<星の王子さま>でも語られている様に、私も目には見えない、形にできないものの大切さ、素晴らしさを、少しでも伝えていける人でありたい、と思っています。

☆ピアノ発表会/Christmas Concert 2020☆

「先生、テキスト忘れちゃった。」「もう、次から気をつけてね。」

「あれ?宿題ここじゃない?」

「だって、〇〇ちゃんこれ花丸ついてるよ。宿題、次のページだね。」

数週間前の先生のあまりに違う反応(笑)に、習って間もない生徒さんはキョトン・・・??

はい。発表会を終えて、当教室は穏やかなレッスン、続いております(^^♪。

~2020.12.6(日)、クリスマスコンサート2020と題し、平塚市中央公民館大ホールにて、毎年恒例の3教室合同のピアノ発表会がお陰様で無事終了しました☆~

コロナ禍の中、最後の最後まで開催できるか心配しておりましたが、発表会開催から2週間経過し、3教室共に59名の出演者、ご来場者、関係者に感染などの報告も無く、やっと無事終えられたとのご報告ができ、心からホッとしております。

これもひとえに、関係者の皆様、出演者のご家族、クリスマスコンサート2020に関わって下さった皆さまのお陰、と講師一同心から感謝しております、ありがとうございましたm(__)m。

地元に感染者が発生した3月~6月まで当教室は休校しておりました。2月の末から公立小中高が一斉休校となり、レッスンに通う生徒さんの親御様の心配に対応した形でした。

しかし3月~4月休校ときて、今度は「学校も休みで、家でだらだらして、ピアノ弾けなくなってしまうのではないか心配。」との親御様の声もあり、急遽、ラインでの動画レッスンを始める事にしました。

生徒さんから送られた動画に、スマホ三脚(←買いました!)を使ってレッスン室のピアノで弾きながら私からアドバイス動画を撮って送る、ビデオレター?方式。

動画レッスンは参加自由でしたので、初めは特定の生徒さんからしか来なかったのですが、最後の方はほとんどの生徒さんが参加してくれました!!

スマホやタブレットでの録音ですから音には期待できませんでしたが、横にいる弟の声と共に聴こえる小さい生徒さんのピアノを弾く姿、中高生の超真剣なノーミスの動画(恐らく何回も撮り直したであろう、笑)に私自身、大変勇気づけられました!!ご協力、ありがとうございました。

そんな動画レッスンを乗り越え、6月から対策を講じながら、恐る恐る対面レッスンを始め約半年。目標の発表会を迎える事ができました!!

手指の消毒、マスク、フェイスシールド、非接触体温計(←これが計りにくいんだな、笑)・・・。

コロナウィルスが収束したら、(こんな事もあったよね!)て笑ってしまうような出で立ち(笑)で会場の入り口に立つ私含む講師スタッフ・・。

入場者リストの事前作成、出演者ご父兄へのコロナ対策注意事項プリント4枚作成、来場者の検温、消毒、客席は1席おき、出演直前の舞台袖での手指消毒、マスク着用(出演時捨てて舞台へ)、1・2部入れ替え制(集合写真も直前までマスクで間隔空けて部毎に撮影)で換気、コロナ対策で時間がかかる為1人演奏平均時間2分半(リピートカット、弾きたいのにやむを得ず曲目カットした生徒も)・・・。

例年と違う事ばかりで、講師スタッフ皆準備から当日まで、てんやわんやでしたが、出演者の皆さんは落ち着いて、一人一人の花を舞台で咲かせてくれました(^_^)

ピアノを始めたばかりの幼稚園のお友達、お馴染みの小学生メンバー、10年選手の中高生、数十年ぶりに発表会に出られた大人の方、ベテランの大人の方、初心者~音大受験を目指している生徒さんまで、1・2部合計59名(1名欠席)、邦人作曲家の曲~ベートーヴェン、ドビュッシー、シューマン、ショパンの曲まで、皆それぞれのドラマがありました。

本番は1度きり。弾いていく音弾いていく音、過去になっていくけれど、確かにそこに生まれる音楽がある。瞬間芸術。おうちでも、レッスン室でも、リハーサルでも、もちろん本番でも、同じ演奏は、1度もない。たった1度きりの芸術。

ドキドキして舞台袖で待ち、スポットライトの当たる舞台に一人で立ち、沢山のお客さんの前で、ポーンと最初の音を出す・・・。その瞬間までは先生の仕事。でも、そこからは、3歳でも大人でも誰でも自分だけの世界。

練習は大変だ。面倒だ。でもその瞬間芸術のために一生懸命練習する。

練習した分だけ、経験したぶんだけ、聴いている人の心に響く演奏になる・・・。

やっぱり音楽は素敵だ。

今年も心に響く沢山の演奏があった。ありがとう☆

一人一人の出会いに感謝して、一人でも多く、「私のピアノ教室で習って良かった。」「ピアノをやってて良かった。」と思って頂けれる様に、これからも一歩一歩、私なりに積み重ねていきたいと思います。

さぁ、来年の発表会に向けて、又、頑張っていきましょう(^^♪

日日是好日

新型コロナウィルスというウィルスの名前が世に出回るようになってから1年が経とうとしている。1年前はこんなにも世界中を苦しめるものになるとは思っても見なかった。

気づくと私はブログを1年書いていなかった。でも何も考えて無かった訳では無くて、むしろ色々な事を、無い頭でいっぱいいっぱい考えた1年だった。こうやって私がのんきに生活している間にも、医療現場では、自らの命を危険にさらしながら患者さんの命を救う事を最優先に戦って下さっている医療従事者の方々がいる。本当に頭があがらないし、心より感謝している。分かっている。頭では分かっている。しかし、この1年、自分の心の中に、言葉には言い表せない感情があった。

思えば昨年の暮れ、突然の電話に愕然とした事から始まった。息子が幼稚園に行く前から家族ぐるみでお付き合いのあるご近所の旦那様から。「妻が亡くなりました。」

「え?」とっさに旦那様が何をおっしゃっているのか分からなかった。「実は癌を患っていまして・・。」と。嫌そんなはずない。だって先日も駅でばったり奥様にお会いして、息子の背がずいぶん高くなったとびっくりされていた。いや、だって私と年齢だってそこまで変わらなかった。何で、何で何で、、、。訳が分からぬままご自宅に伺うと、棺の中に彼女が居た。穏やかな顔で。頭の中に色々なシーンが蘇った。まだやっと歩き始めたばかりの息子をかかえて一緒に行った子供広場。ご近所3家族で毎年恒例だった夏のBBQ。何故かご近所3家族の長男が皆1月生まれだと分かり始めた合同誕生日会。子供の大好きなクリスマス会・・・。小田原という土地が私にとってまだ良く分からない、馴染めない土地だった頃から、共に子育てをしながら色々な事を共感し、戦ってきた同志。たんなるママ友なんていう言葉には収まらない貴重な存在だと私は思っていただけに、本当に衝撃だった。何で何も話してくれなかったんだろう。どんなに苦しかっただろう。どんなに辛かっただろう。どんなに無念だっただろう。色んな感情が一気に押し寄せて私はどうしたらいいか分からなかった。でも残されたご家族の事を考えると、私なんか泣いちゃいけないと思った。泣く資格もない。何もできなくてごめんなさい。ただ、ただ、そのご家族のこれからの幸せを心より願うばかり。だって絶対彼女が1番そう願っていると思うから・・・。

そうして私は知った。頭では分かっていたが、身に染みて痛感した。

命には限りがあるという事を・・・。

そこから私は、私なりに必死になった。生かされている間、自分の出来る事を出来るだけ頑張ろう、と。

まずは地元の音楽家協会の2/29のコンサートだ!本番1か月半前に曲目変更を余儀なくされて、一時はパニックになったが、自宅のピアノ以外での練習の必要性を感じ、近所の公共施設のピアノを借りて自分のリハーサルも終え、さぁ、残るは協会のゲネプロ、本番を待つばかり、という時だった・・・。「コンサートは中止となりました。」

本番5日前。ちょうど新型コロナウィルスの影響で地元の小中学校が休校になると騒ぎ始めた頃だった。

「何で・・・。」いや、頭では分かっている。協会の決断は正しい。地元のお客様はご高齢の方も多いので、お客様の健康や安全が1番大事だという事。

チケットをご購入頂いたお客様に大至急謝りの連絡をいれながら、私は悔しい思いをかみしめた。

それからが悪夢の様だった。地元の小中高校が休校となり、地元にも感染者が出始め、ピアノ教室も休校せざるを得なくなり、式典などの伴奏、演奏の仕事も軒並みキャンセル、コンサートもキャンセル。

私は一気に無職になった。地元のスーパーは開いているのに。病院も開いているのに。役所も開いているのに。

音楽はそんなにも人々に必要ないのか。不要不急なのか、、、。

私は音楽業界では底辺の人間だとは思っているが、それでも、人生をかけて音楽をしてきた。

4歳から始め、幼少期からピアノの練習は毎日2時間は当たり前だった。レッスンには母親が付き添い、レッスンで注意された事を母がメモをとり、練習する日々。幼稚園のころお友達の誕生会に呼ばれて「ピアノの練習の時間だから。」と早く帰らなければならない悔しさ。まだケーキ食べてないのに。小学校になって大きくなり自分で電車に乗ってレッスンに行っても、カセットテープにレッスンを録音して、家で練習。家族で旅行に行く宿の選択基準は、ピアノがあるかどうか。コンクールで上手くいかない時の先生の怖さ・・。小学生の高学年では毎日3時間練習は当たり前だったし、音大付属に行くと決めてからは塾にも行って忙しかったから、テレビなんてほとんど見たことが無い。だから、友達とアイドルの話しなんてできない。「日本昔話(レッスンの土曜日、30分だけ許されていたので。)しか見たことない」なんて、小学校高学年でありえないでしょう?そんな事言えないから、ただいつも聞き役ばかり(笑)。そんなこんなで学校の合唱の伴奏や指揮はいつもやっていたのだが、「なんでいつもアキちゃんばかり?」と文句を陰でいう子もいたり、いなかったり・・。(「だったら私と同じだけ練習してみてよ。」と思っていた。)

音大付属に入ったら、入ったで、弾けるのは当たり前。小学校の頃に習っていた先生との教え方の違いに戸惑い、悩み・・。弾き方そのものを否定される日々。最初の1音に3時間かかるレッスン・・・。帰りのバスで涙したこと数知れず・・。

もっともっと良いこと辛いこと、ピアノと向き合う中でいっぱいあったけど、そんな事全部否定されている錯覚に陥った・・・。

そんな時、出会った映画が「日日是好日」。

元は禅語のひとつの様だが、この映画を初めて家で観た時、 心がスーッと軽くなった。黒木華さんが演じる主人公が樹木希林さん演じる茶道の先生から手ほどきを受けるといういたってシンプルなストーリーなのだが、これが良いのだ。映像と音楽の絶妙なマッチも素晴らしいし、何より俳優さんも素晴らしい。セリフの無い時の佇まい・・実際、全身癌だったと告白してからもなお俳優業を全うされる樹木さんの気高さや気丈さみたいなものを強く感じた。

映画の中のセリフにもハッとさせられる。

何でも頭で考えない。

雨の日には雨を聴く。雪の日には雪を見て、夏には夏の暑さを、冬には身の切れるような寒さを感じる。

あるがままを感じる日々の素晴らしさ。

そうだ。私は生きている。生かされている。何も変わらない。

茶道の心得の「一期一会」をかみしめながら、私の出来る事を一歩一歩やっていこう・・・そう思えた作品でした。

映画の中にこんなセリフも有りました。

「立春が何故1年の中で一番寒い日なのか知ってる・・・?」

「それは、これから春だ、もうすぐ春だ、あたたかい春が待っている、と厳しい冬を乗り越えるための先人の知恵なのよ。」・・・と。