☆自分を表現するという事☆

最近、若い男性が関わる痛ましい事件のニュースが多く、思春期の息子を持つ親として、他人事とは思えず、考えてしまいます。なぜ、こんな事になったんだろう・・・。どこでボタンをかけ違えてしまったのだろう・・・。

もちろん、理由は1つではなく、複数からまっているのでしょうし、簡単に説明のつくものでは無いと思います。

ただ、痛ましい事件の当事者がどんな思春期を送ってきたのだろう・・・と考えます。この人に何か打ち込める・・・例えば音楽があったのなら、ピアノが弾けたのなら・・・違う結果だったのじゃないか、と思ってしまうのです。

私の中学、高校生時代を思い出すと、一般的にみても恵まれた環境にいたと思いますが、その当時はそんな事は微塵も感じず、友達といる時には笑っていても、悩みが絶えなかった記憶があります。なんで私はここにいるんだろう、とか。私の道はここしかないのか、とか。アンジェラ・アキさんの「手紙」の歌詞にも出てきますよね?!自分とは何か、自分はどこへいくべきか・・・悩んでいる時期。そう、この歌も15歳を設定していますから思春期です。

大人になっても悩みは出ると思いますが、こんな漠然とした、答えがすぐ見つからない様な悩みを真剣に考えてしまうのが思春期なのだと思います。そんな思春期の多感な時期に、何か自分を表現できるものが有る人と無い人とでは、大きな違いがあるのではないかと思うのです。それは、有る程度「自分を表現する」レベルに達したものであれば、ピアノじゃなくても、絵画でもいいし、将棋でもいいし、歌でもいいし、スポーツでも・・・。

私には幸いピアノがありました。悩みの種でもあるピアノでしたが、結局は目の前にある1番「自分を表現する」唯一のものだったので、悩んでいる時も一心不乱で弾いていると、今悩んでた事がばかばかしくなってしまう位、スッキリとしたものです。ああ、自分はここでいいんだ。このままでいいんだ。自分を信じよう。目の前の事をとにかく頑張ろう・・・と。

思春期は周りの大人や(特に親)年長者の話はあまり通用しません。でも、目の前にある「自分を表現できるもの」が有れば、それにスガル事ができます。結局は自分しか自分を守れないし、自分を信じなければ前に進めない。

そんな当たり前の事を後押ししてくれるものの1つに、「ピアノ」はあると思います。

その証拠に、当ピアノ教室に来ている上級者の中高生が1つの曲を仕上げて弾き切った時の顔の充実感。額に汗をかきながら弾くベートーヴェン。

思春期に打ち込めるもの、「自分を表現できるもの」を・・・とお考えなら、まずは幼少期からのピアノ、おすすめです(^_-)-☆

♪ピアノと頭脳?♪

パルティータ(バッハ)、プレリュード(ラフマニノフ)、ポロネーズ(ショパン)、エチュード(リスト)(ショパン)、月光ソナタ・全楽章(ベートーヴェン)、ワルトシュタインソナタ・全楽章(ベートーヴェン)・・・。

さて、このプログラム、どこのコンサートのものだと思われますか??

音大や音楽専攻の学校のコンサート??・・・いえいえ、実はこれ、先日息子の学校の文化祭の中で行われた中学、高校の選抜者の講堂で行われたコンサートです。息子の学校は、音楽専攻などでは全く無く、毎年東大数十名?、医学部百名?位は合格者の出る私立の男子中高一貫校です。

ピアノをある程度やられていた方はこのプログラムを見て、そうそう簡単に弾けるプログラムでは無い事(上級者でも苦労する曲だという事)はお分かりかと思います。毎年、この選抜者のコンサート、ピアノ講師である私も口をあんぐり開けて聴いてしまっています。(いったい、この学校に受かるだけでも勉強が大変だったはずなのに、いつ、どうやって、どの様に練習してきたのだろう・・。)と。この様なプログラムが中高で弾けるという事は、どう考えても幼少期から熱心に1日最低でも1時間位は毎日練習してきただろう・・・と予測がつくだけに、本当に毎年私は驚愕しているのです。当の息子はというと、毎年オーディションには出ているものの、万年?落選組で、講堂とは広さの全く違う?音楽室コンサートでこじんまりと?、幻想即興曲(ショパン)を弾いていました((+_+))~でもチャレンジ精神があるのはよい事!自己練習でよく頑張ってたぞ☆~

それにしても、この学校の音楽経験者の人数の割合が本当に多い!!

講堂の選抜コンサートは各学年ピアノやヴァイオリンなど1~2名が中1~高3まで14~15名程だが、息子のように落選組も考えるとソロだけでオーディションを受けた生徒は40~50人はいて、なおかつ、コンサートの前に行われる合唱コンクールは、中学全員参加で、中1~中3まで4クラスそれぞれ課題曲と自由曲のピアノ伴奏者と指揮者、合唱に合わせるフルート奏者、ギター奏者など色々いて・・・、連弾やアンサンブル発表を合わせると、ざっとクラスの半分以上は何らかの楽器が弾ける計算となる・・・。

そういえば、中学受験で息子の学校以外も進学校を色々見学したが、偏差値の高い学校程、文化祭などで生徒のピアノ演奏のすばらしさに感心した覚えがある。東大生の半数以上がピアノ経験者だという話もよく耳にする。

何故なんだろう・・・。私は脳科学者ではないからよくわからないが、選抜者の中高生彼らの演奏を聴いていて感じるのは、明らかにやらされている感は無く、こう弾きたい、この曲がやりたかった、、、というのが分かる演奏で、自分の世界に、その曲の世界に陶酔している感じなのだ。もちろん、音楽的に見てみると細かい事は気になる点もなくはないが、全く大人の演奏なのだ。

この様に素晴らしいピアノを演奏している彼ら達も、最初から素晴らしかったわけでは無いはず。脳科学者ではない私ですが、長年音楽を専門にやってきた人間として思うのは、この様な結果は、なにより才能などではなく、幼少期からコツコツと練習を続けてきたからこそ、だと思うのです。ピアノの演奏は右手と左手、そしてペダルまで使うと足まで、全部別々に使うから脳の発達にいいと聞いた事もあります。しかし私は、この「コツコツと努力する大切さ」を知る事こそが勉強に通じるのではないか、と思っています。そして、発表会などで人前で演奏する「たった1度きりのチャンスに自分を出し切る精神力」などが、1度しかない試験などに通じているのかな・・・と思うのです。

ピアノと頭脳が関係しているかいないかは別としても、何より、ピアノ演奏が上級になると、弾いている自分自身が癒されていく感覚が味わえます。やっぱり、ピアノって面白い☆

是非、そんなピアノを始めてみませんか・・・??(^O^)/